最近、横浜DeNA・井納翔一投手の奥さんが、インターネット掲示板に中傷する書き込みをした人に対して民事訴訟を起こしたことが話題になりましたね。
IT先進国だと言われているお隣の韓国では、こういったネットでの誹謗中傷書き込みに対する法的対応は、4~5年前から既に一般的になっています。
日本とはちょっと違う、韓国芸能人のネットでの誹謗中傷書き込みへの対応を調べてみました。
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目次
◆韓国の芸能人はネット誹謗中傷を’許さない’
Googleが2016年に発表した報告書(※「Mobile Apps in APAC: 2016 Report」)によると、スマートフォン普及率が90%に達するほど、インターネットが発達している韓国。
それに現在のようなスマートフォン時代になる前からも、2000年代初めから、各家庭に高速インターネットが普及した韓国だけあって、ネットでの誹謗中傷書き込みは、10年以上前から問題視されてきました。
もちろん、2000年代初めは、芸能人や有名人たちも、「イメージが悪くなるかもしれない」「いくらなんでも一般人を告発するのはちょっと・・・」といった理由で、どんな書き込みがあっても‘とにかく我慢’する文化がありました。
その後、悪質な書き込みに苦しんでいた有名女優のチェ・ジンシルさんが自殺する事件などが起きてから、韓国政府も事態の厳しさに注目し、関連法律(※「情報通信網利用促進及び情報保護に関する法律」)が出来、警察にもそういった事件を専門的に扱う部署が出来ました。
インターネットユーザーの間で、「いくら偽名でも書いてはいけないことがある」という認識が広まり始めたのもこの頃からです。
それでも有名人たちがそういった書き込みに対して積極的に法的措置を求めるようになったのは2010年に入ってからです。
ヒップホップアーティストのタブロの事件が、きっかけになったと言われています。
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◆これまでネット誹謗中傷に対し訴訟を起こした事例
〇タブロ(ヒップホップアーティスト)
まず紹介するのは、ヒップホップアーティストのタブロに関する事件です。
2008年から数年間、’タジンヨ’と自称する不特定多数の集団が、タブロやタブロの家族への根拠のない誹謗中傷を続けたこの事件は、韓国で、ネット上の誹謗中傷が社会的に問題視されるきっかけになりました。
’タジンヨ’は、タブロがスタンフォード大学を出たのは真っ赤な嘘だと、インターネットに根拠のない書き込みをし、それだけに止まらず、タブロの自宅やタブロの家族への嫌がらせなどを続けました。
これによりタブロは一定期間、アーティストとして活動出来なくなったし、テレビ局で働いていたタブロのお兄さんは、職場への嫌がらせに耐えられず、会社をやめざるとえなくなったんです。
結局、2010年、タブロは彼らを訴えることを決め、刑事裁判が始まりました。
そこから1年半の捜査と裁判により、2012年7月、タジンヨの主要メンバー9名に実刑判決、懲役8カ月執行猶予2年が犯人に下りました。
〇ジス@Lovelyz
次に紹介するのは、あの’タジンヨ’の事件とものすごく似ていると言われている、Lovelyzのジスに関するネット誹謗中傷事件です。
INFINITEの妹分として、2014年の正式デビュー前から大きな注目を集めていたガールズグループのLovelyz。
問題になったネットの書き込み内容は、Lovelyzのメンバーであるジスが、学生時代、友人が性行為している写真を勝手に流布したということです。
もちろんこれはまったくの嘘ですが、まだ正式デビューもしていないLovelyzにとってはかなり打撃がありました。
結局、Lovelyzの所属事務所であるWoolimエンターテインメントは、インターネットのジスに関する書き込みをした当事者たちを、告訴しました。
その後、2015年5月、検察の捜査により、インターネット上の書き込みはまったくの虚偽事実であることが認められ、書き込みした人たちに罰金刑などが下されています。
〇テヨン@少女時代
韓国の芸能事務所の最大手のSMエンターテインメントも、所属アーティストに対するネットの誹謗中傷に厳しい対応をすることで有名です。
2014年、EXOのメンバーと熱愛説が出た時、信じられないくらいひどい書き込みが続いたテヨン。
これに対してSMエンターテインメント側は、法的措置を取り、結局、テヨンに対して悪質な書き込みをした人々は処罰を受けました。
そして、2017年にもテヨンに関する誹謗中傷をした人々を訴える方針であることを発表しています。
〇チャニョル@EXO
EXOのメンバーのチャニョルの場合、所属事務所ではなく、ファンサイトが悪質な書き込みをした人々を訴え、検索の調査が始まったケースです。
2017年9月、チャニョルのファンサイトが、ソウル中央地方警察庁に悪意的な書き込みをした4人に対して、告発状を提出しました。
ファンサイトによると、チャニョルに対する悪意的な書き込みはもちろんのこと、異常な合成写真などを使ったり、家族に対する非難の内容が我慢出来ないレベルに達しており、2015年から2年間、集めて来た証拠をもとに、告発をしたということです。
チャニョルも警察に「そういった人々に善処はしない」という意思を明かし、現在も警察の調査などが行われていいます。
〇BTS
K-Popアイドルから世界的なアーティストに成長しているBTSもネットの誹謗中傷的な書き込みに、厳しい対応をしたアーティストの一人です。
BTSの所属事務所であるビックヒットエンターテインメントは、2016年11月に、下記のような文書でネットでの誹謗中傷を‘我慢しない’という方針を発表しました。
「悪意的な意図を持って防弾少年団の創作物、音楽活動および私生活などに対して持続的に歪曲された非難と人身攻撃をしている一部の方々らの行動が、これ以上は看過しない水準に達したと判断しました。」
「当社は、所属アーティストの権益保護のために、アーティストへの誹謗を目的とする悪質な書き込みやコメントを生成し、虚偽の事実を流布したり、メディアに通報するなどの行為に積極的に法的な対処をしようと法務法人と共に告訴および告発の手続きに着手しました。」
その後、実際にどれくらいの人々が訴えられたかについては、公式的な発表はしていませんが、今後も悪質な書き込みについては厳しい対応を続けて行くんだと思います。
〇パク・ジフン@WannaOne
「プロデュース101 シーズン2」に出演、今はWanna Oneのメンバーとして活躍しているパク・ジフンもネットでの誹謗中傷に苦しめられた被害者の一人です。
サバイバル番組からいきなりのデビューをはたし、短期間でトップスターになったパク・ジフンを、理由もなく嫌がる人々によるものだと思いますが、その内容は、未成年者であるジフン君に向けられたとは信じがたいひどい内容ばかり。
結局、パク・ジフンの所属事務所であるマル企画が、2017年10月に、書き込みをした人々を名誉毀損罪などで告訴。
現在、それに対する検察の調査が続いています。