フジ『シグナル』の原作版は韓国でどのような評価か?

この記事の著者

韓国出身のKPOP・韓国芸能専門フリーライター。慶応義塾大学卒業。

日本にて韓国ドラマや映画の翻訳及び輸入事業をサポート。広告代理店勤務を経て、2012年から韓国Mnetにて、M COUNTDONWやMAMAなどのPRやマーケティングに関わる。

現在は同社退職後、フリーライターとして、幅広い形で日韓文化交流にかかわっている。

坂口健太郎のテレビドラマ初主演作として放送前から注目を集めたドラマ『シグナル 長期未解決事件捜査班』!

‘過去’に生きる刑事と‘現在’を生きる刑事が、無線機を通じてつながり、事件を解決していくスリラードラマです。

すでに知っている方も多いと思いますが、ドラマ『シグナル』は実は韓国ドラマを原作にしている作品。

韓国でも‘傑作’だと絶賛される『シグナル』は、なぜここまでクォリティの高い作品になったか、その理由を探ってみました。

 

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目次

◆韓国版『シグナル』の韓国での評価はどんなもの?

韓国版『シグナル』は数多くのヒットドラマを放送している韓国のケーブルテレビチャンネルtvN20161月から3月まで放送されました。

実はこのドラマ、地上波での放送を予定していたのですが、ラブロマンス要素もなく、比較的に暗い話で、放送が取り消してしまったんだとか。

放送取り消しという紆余曲折はあったのですが、tvNでいざ放送されると1話から平均視聴率8%を記録!

最終話では平均視聴率15%という、今では韓国の地上波でも難しい数字をたたき出して、2016年の一番の作品と評価されました。

『シグナル』に対する韓国メディアの当時の評価を見てみましょう。

 

「嵐のような展開と鳥肌が立つストーリーはまるで映画のようだ。」

「無駄のないストーリーにディテールが目立つ演出それから作品へ集中させる力のあるイ・ジェフン、キム・ヘス、チョ・ジンウンの狂ったような演技が加わった。」
引用:https://goo.gl/vaWKzi

 

「過去の刑事と現在の刑事が時間と空間を越えて’協力捜査’を繰り広げ、それを通じて未解決事件の犯人を検挙するプロセスは壮快である」
引用: https://goo.gl/rXUqRa

 

tvNが新しいドラマ王者になることに大きな力になった」
引用:https://goo.gl/rXUqRa

 

ちなみに高い評価と人気は韓国だけではなく、20164月から中国のストリーミングサイトでも放送され、たった2ヶ月で累積再整数1億回を超えました。

中国の視聴者たちも「最近の韓国ドラマの中で一番完成度が高い」としたとのことで、国境を越えて愛される作品だといえますね。

それではなぜここまでクオリティの高い作品が生まれることになったのでしょうか。

 

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◆韓国版『シグナル』のクオリティがここまで高かった理由

○あのヒット作を演出した凄腕ドラマ監督

韓国版『シグナル』を演出したのは、ドラマの強いtvNでも凄腕だと評価されているキム・ウォンソク監督です。

キム・ウォンソク監督は韓国の国営テレビ局KBS(日本で言うNHK)でドラマ演出を始めました。

日本ではあまり名前が知られている監督ではありませんが、代表的な作品を見ると分かるはず!

ムン・グニョン, チョン・ジョンミョン主演の『シンデレラのお姉さん』

ユ・アイン、ソン・ジュンギ主演の『トキメキ☆成均館スキャンダル』の監督なんです。

10年間、KBSで数多くのドラマ作品を演出したキム・ウォンソク監督は、2011年にtvNを運営するCJ E&Mに転職します。

CJ E&Mに転職してからの初めてのヒットさせた作品が『ミセン未生』なんです。

『ミセン未生』は、韓国ドラマの歴史を変えたとも評価される作品で、それまで韓国ドラマでは欠かせなかったラブロマンス要素を一切排除したのに、大ヒットを成し遂げたんです。

2016年にフジテレビで放送された『HOPE~期待ゼロの新入社員~』の原作でもありますね。

キム・ウォンソク監督は、ストーリー展開を描く上で、細かい設定や登場人物の内面の描き方がとっても上手いと評価されています。

そんな監督が手がけたからこそ『シグナル』がよりクォリティの高い作品になれたんでしょうね。

 

○サスペンスドラマ専門の女性脚本家

韓国版『シグナル』の脚本家はサスペンス作品で有名なキム・ウンヒさんです。

韓国で初めて法医学の物語を描いた『サイン』

パク・ユチョン主演のサスペンスドラマ『スリーデイズ~愛と正義』が代表作!

日本よりサスペンス、スリラージャンルのドラマが少ない韓国では、これらのジャンルを専門にする脚本家はとても珍しい存在なんです。

『シグナル』もやっぱりそれらのジャンルを得意としているキム・ウンヒさんが手がけたからこそ、ここまでの作品になれたと思います。

ちなみにキム・ウンヒさんの旦那さんは映画『ライターをつけろ』『記憶の夜』を演出したチャン・ハジュン監督。

韓国では脚本家‐監督夫婦として有名です。

 

○話題性より演技力で俳優を起用

韓国版『シグナル』の主演をつとめたのは左からイ・ジェフン、キム・ヘス、チョ・ジヌンの3人です。

キム・ヘスさんは1980年代にデビューした有名な女優さんで、映画『タチャ イカサマ師』『10人の泥棒たち』などで日本でも有名ですよね。

でも40代後半という年齢を考えると、日本でもそうですが、ドラマのヒロインとしてはなかなか起用されにくい状況でした。

またイ・ジェフン、チョ・ジヌンも活発に映画やドラマには出ていましたが、テレビドラマにおける話題性のある俳優ではありませんでした。

でもキム・ウォンソク監督とキム・ウンヒ脚本家は、話題性や人気より演技力一つで俳優を起用!

(キム・ウォンソク監督の前作の『ミセン』でも、人気や話題性より演劇界などで活躍していた俳優をたくさん起用しましたね)

そうやって起用した彼らの熱演が作品のクオリティを上げるのに大きな役割果たしたのでしょう。

実際、イ・ジェフンとチョ・ジヌンは『シグナル』がきっかけでトップスターに仲間入りしました。

 

ここまで韓国版『シグナル』の人気や高いクオリティーについて分析してみました。

韓国ではファンの要望が多く、『シグナル シーズン2』の制作も噂されているんですけどね。

すでに企画に入ったという噂があったり、事実無根だという噂があったり、色々と話はありますが、シーズン2を待っているファンが多いということだけは確かだと思います。

韓国版シグナルは非常に面白い作品です。

Netflixで全話見れるのでぜひ見てみてください。

ただし続きが気になり、睡眠時間は確実に短くなるので気をつけてくださいね。

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